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Channel: みんなの法律相談 | 弁護士ドットコム
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認知症の要介護者からの錯誤の可能性を含んだ訴えを立証する責任は誰に?

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某大手介護系法人(株式会社)を友人が退職しました。 ある個人宅への訪問介護を請け負っていた友人が退職後に忘れ物をしたという事で その個人宅を訪問し、認知症状のある介護対象者ではなく同居親族に同意をいただ いて忘れ物を回収させていただいたという顛末がありました。 友人はその後自分が所属していた会社の拠点に「忘れ物を回収した。」という一報 は入れていたそうです。 それから数日後、友人の元上司から連絡が入りました。 「利用者からのクレームが生じたので会社へ来てくれ。」という内容です。 以下はその内容になります。 1.訪問介護先において鍋を焦がした、ついてはその損害賠償をせよ。 2.退職したにもかかわらず当社の顧客宅まで当社に断りなく訪問したことは不法侵 入にあたる。そのような行為をするような元従業員は余罪があると思われるので警 察に一報を入れることを検討している、窃盗の可能性もこちらとしては考えている ので隠していることがあるのであれば今のうちに話せ。 1.については調理補助をしていた友人が「焦がしたとしたらそのままにする筈が無 い。」と反論。 ただし退職した以上、友人が直接認知症の要介護者の錯誤の可能性を確認・証明す る術がありません。 会社側の「クレームを受けた。」という主張のみがまかり通っています。 2.同居親族の同意を取り付けているため、不法侵入にはならないと相談された私は 考えますが…、道義的な意味合いにおいては一言事前に通しておくべきだったとは 思います。 問題なのは顧客から具体的に被害届などが警察に提出されたわけでもない現状で、 不法侵入・窃盗の余罪があると思われるとの発言が法人側からされ「警察に言われ たらあなたも困るんじゃないですか?」という意味合いまで込められていた点です。 認知症の要介護者が錯誤状態で「盗まれました。」と主張し、友人の相手方の法人 がそれを後押しするかの様に法的措置(刑事・民事)へとなってしまった場合、こ の窃盗や損害に対する事実確認は法人方においてされるべき内容と考えるのですが。 訪問介護先ですから友人の指紋などは当然採取されますし、とても不利な状況だと 考えてしまいます。 実際のところ窃盗・不法侵入の事実があったとして、それが刑事罰として確定した 段階でなければ民事としての訴えはまず無いだろうと思っているのですが。

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